入院の日々 その1
病室は4人部屋。
主治医は去年世話になった同じ女医さん。顔はかわいいけど、こわい。
ナースのみなさんのほとんどは面識があり、子ども二人が毎日見舞いにくる幸せなおとうさんとして覚えられていた。
3~4日で痛みはほとんどなくなる。
しかし、10日間は絶食で24時間点滴につながれる。
ヘビースモーカーはナースの目を盗んで院外に抜け出すしかないので少し不便。
夏休みのため、朝、昼、夕と1日3回、子どもが着替えなど持ってきてくれるので、なかなかベットからはなれらない。
入院当初の3日間はみぃさんへメールをしなかった。入院手続きや職場への連絡やらの事務的なことや家族や親せきが、入れ代わり立ち代わり見舞いに来てくれてその対応で疲れてしまった。
4日目、みぃさんからのメールがあった。
みい「元気にしてるの?メールがないので心配だよぉ」
その日、返信はしなかった。
丸々1日、みぃさんに状況を伝えるべきか考えた。
もし、この間のことがただの遊びや気の迷いなら見舞いにはこないだろうし、本気だったら来ると言うだろう。そうなれば、家族と出くわすリスクが増えることになる。
みいさんことを好きになりはじめているこの時期に前者であれば、ほっとする部分はたしかにあるがすごく落ち込んで再起不能になるかもしれない。後者ならおたがいの家族を巻き込む最悪の結末になる可能性がある。
で、出した結論は、「病院名を告げず、やんわりと現状だけ伝える。」ことにした。
マイ「連絡遅れてごめん。実は〇曜日から入院してて連絡できなかった。たいしたことないから。ほんと、ごめんね。」
みぃ「そうだったの。たいへんだったんだね。お見舞いはいっちゃだめだよね。奥様とか〇〇ちゃん(子どもの名前)が面倒みてくれてるんだもんね。すぐにでも行きたいけど、迷惑かけちゃだめってきめてるから安心して。でも、なんかあったら、今度はすぐに教えてね。」
マイ「うん。ごめん。ありがとう。」
・・・全然、彼女のことを理解していなかった。全部理解することは誰に対してでもあり得ないと思うが、少なくても、再開してからこの1か月の彼女の言葉と態度に嘘や僕のことだますつもりがなく、よく思ってくれていると思い知らされた。
好きだという感情の下に、彼女を疑い、遊んでいる子と見下し、目の前の快楽と保身だけを考えている自分に気づき、赤面する思いに襲われた。
それに気づいた上でも、ぼくの中のみぃさんに対する気持ちが日に日に大きくなっていっていることにも気付かざるを得なかった。たとえ、精神的に身体的にも弱って判断力が低下しているといわれたとしても。
どうしても、みぃさんに会いたくなった。
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