みぃ依存症

W不倫中の小心者の40代男です。

妄想みたいだけど、現実。

帰結がどうなるか本人にもわからない。どうなることやら楽しみ!


ゲスなので興味ない方はスルーしてください。

嵐の中の偶然

明日までは夏休み。毎日病院に通う。今日は持病の、明日は入院した病院での検査。



みぃさんは今ごろ何してるのか。


そんなことを考えていたら、みぃさんの家の前に来ていた。
焦って引き返し、病院へむかう。


寄り道したので混んでいる。
予約してないので相当待たないといけない。


外でタバコを吸おうとしたが、箱の中には一本も残ってないなかった。


◯◯駅前の商店街にあるコンビニに向かった。


ふと、コンビニの道路向かいの銀行を見るとみぃさんが忙しそうに原チャリからおりるところだった。



みぃさんも気づいたみたいだ。


高架下の駐車場のかげで立ち話。



マイ「・・・やあ・・・」
みぃ「うん。」



いつの間にか会話も態度もふりだしに戻っている気がした。



みぃ「ごめんね。いろいろあったから。」
みぃ「・・・・・」



話づらそうである。



マイ「どうしたの?あっ、タバコきれてるんだ。そこまで買いにいかない?」
みぃ「・・・うん。」



一緒に近くコンビニまで行って、元の場所にもどった。
ずっと沈黙。



マイ「どうしたの?いいたいことあるならいいなよ。」


みぃ「うん。もう、連絡しない。そういうこと。突然のことでお母さんが亡くなって、家族の絆って大事だって思った。マイちゃんの子どもにも悪いって思った。」


マイ「そっか、みぃさんがそう思うならそうしたらいいと思うよ。」



予想どおりだった。


たぶん、もう、彼女の中で結論はでてたのだろう。



マイ「わかった。ほんとにいいんだよ。みぃさんが決めたことなら・・・」
みぃ「・・・・・」



言ったみぃさん自身がさびしそうに、しかも本音ではなさそうに感じた。
そのまま帰ろうともせず、何か言ってほしそうだった。
ちゃんと今の気持ちを伝えないといけないと思った。



マイ「実は昨日ね、〇〇川の土手の上からお母さん送らせてもらった。出棺のとき、みぃさんが泣き崩れてたのをお姉さんがささえてた。下のお子もすごく泣いてた。こういうとき家族の絆って大切に感じるよね。つらかったよね。」



みぃ「来てくれてたんだ。ありがとう。」


みぃ「そう、家族って大切だと思った。でも、なんでこれたの?」


マイ「メールで告別式の場所と時間教えてくれたやん。普通、家族葬の場合って他人に教えないでしょ。終わってから連絡するものやん。ひょっとしたら、無意識に書いたのかもしれないけど、それって、心のどこかで来てほしいってことかもと思った。だから、行ったんや。」



思い当たったみたいで、少し微笑んでる。



マイ「昨日から考えてた。自宅からでてきた手紙のこと、水曜日にかかってきた電話のこと、それに今こうして出会った。こんな偶然ないと思う。」
マイ「ひょっとしたら、できの悪い、甘えん坊のみぃさんを心配して、亡くなったお母さんが、引き合わせてくれたかもしれないって。」


みぃ「・・・・」


マイ「自分のせいだと思ってるでしょ。こんな関係をはじめてしまった自分が原因で亡くなったって。」



びっくりしたような表情をして、ぼくに抱きつき、泣きはじめた。
はじめは、小さな声で「おかあさん」と繰り返しながら。


片手で頭をなでて、腰を強く抱きしめた。


しばらく、そのままにしていた。


そのうち、言葉が「マイちゃん」に変わり、大きな声で泣いた。


胸で泣いていた顔が次第にぼくの頬に上がってきた。


キスをしたい気持ちはあったが、亡き母をおもいだして泣いてる女性に対して不謹慎だし、もう連絡しないと決めた彼女に失礼だと思い、そっと顔そむけた。



マイ「僕自身、みぃさんがいない人生なんか考えられなくなりつつある。」


マイ「それに、最初に言った連絡しないっていうだろうなってことも想像ついてた。」



そのまま泣きながらだまって聞いてくれている。



マイ「最初にいったことが本気なら、それでいいよ。でも、いつでも相談にのるし、いつでも連絡してくれていいんだよ。」


みぃ「うん。」


マイ「将来は環境さえ許せば、いっしょにいてもいいと言ったのはうそじゃないよ。」


マイ「実は前から妻は定年離婚も考えてるって言ってた。」


みぃ「なんで、あたしのせい?」


マイ「ちがうと思う。ばれてないよ。もともとうちはゴタゴタしてて、そういうこと平気で言う人だから・・・本気かどうかももうわからない。」


みぃ「そうなの。」



みぃさんのケータイが鳴った。お姉さんからで、銀行での手続きはまだ終わらないのかっていう催促らしかった。



みぃ「行かなくちゃ。まだ葬儀屋さんの支払い残ってるの。ほんとはすぐ払わなきゃいけないのに明日まで待ってもらってるし。あと市役所とかいろいろ手続きもあるし。」


マイ「そうだよね。ごめん、引きとめて。ひとつお願いがある。これから、もし会うことがあったら、ぼくの子たちに悪い、っていうのは言わないで。悪いっておもってるだったら、こんな関係にはならないし、うちの子だけじゃなく、みぃさんのお子たちにも同じだから。子どもを理由にくっついたり、離れたりっていうのは違うと思う。今さらだけど。じゃあ。」



最終的な結論を聞かないまま、その場を別れた。


僕は病院に向かい、彼女は当初の銀行に向かった。



このとき、会うのは最後だろうなって思った。



明日、検査があるのにまた昼にお酒を飲んでしまった。どうしよう。
あの女医さんはごまかせないから、すごく怒られるだろうなぁ。